キャリア戦略

転職面接で聞かれる質問とは?面接官にマイナス印象なNG回答も解説

2022.11.23

  • #転職

新型コロナウイルスの影響などにより、一時は低下した転職率。2021年では若年層を中心に転職率は回復し、過去6年間で最も高い数値となりました。

その背景には、終身雇用制度に対する期待の低下や、転職サービスの興盛による転職活動の一般化などが挙げられます。

会社勤めをしている中で、一度は転職を考えたことのある方が多いのではないでしょうか。実際に転職活動をする際にハードルとなるのが、面接です。

本記事では、転職面接でよく聞かれる質問や逆質問のコツ、転職面接でのNG例など解説していきます。

転職面接で頻出の質問

転職面接が行われる目的を理解しておくと、自ずと質問される内容も想像できるようになります。まずは目的を理解しておきましょう。

【企業側が面接で見極めたい内容】
①即戦力になる人材かどうか(足りないポジションにフィットするか)
②早期離職しないか(応募者と会社のカルチャーがフィットするか)

転職の面接は、新卒面接とは大きく目的が異なります。転職活動を成功させるためにも、中途採用の面接で頻出の質問を準備しておきましょう。

【はじめに】転職面接の自己紹介について

自己紹介は30秒~1分程度で簡潔に話し、冗長にならないようにしましょう。ここで聞かれてもいないダラダラ話過ぎてしまうと、メタ認知ができずコミュニケーション能力に疑問符がついてしまいかねません。

また後に続く質問で「先ほど話した通り~」などと不要な枕詞がついてしまい、面接官の印象を害してしまう可能性があります。

自己紹介で気になった部分は面接官も質問してくれますので、自分についておおよそのスキルと経験が類推できる程度の内容にとどめることをオススメします。

【頻出の質問①】スキルと実績

転職面接では、簡単な自己紹介に続き、スキル・実績の説明は必ずといっていいほど聞かれます。
ここで確認したいことをシンプルにすると「どんなことができる人ですか?その証拠は?」という質問です。

中途採用するにあたって企業側は、多くの場合で育成コストのかからない即戦力人材を求めています。そのため、企業が注力しているビジネスと、それにマッチする人物像を仮説立てて、自身のこれまでの経験や実績をアピールすることが重要です。

【頻出の質問②】転職活動をしている理由

採用する企業側は「なぜ今の職場を辞めたいのか」が気になるものです。転職活動には必ず理由がありますので、論理的に説明する必要があります。

doda(デューダ)の調査

ネガティブな理由が上位に来ていますが、これをダイレクトに伝えることはNGです。転職理由がネガティブだと、転職してもまた同じ理由で転職してしまうのではと思われてしまう可能性があります。

転職活動の理由として望ましいのが、キャリアアップのためという理由です。
現職で今後望めないキャリアを論理的に説明し、貴社ではそれが実現できると考えました、と伝えることで転職後もモチベーション高く働いてくれるという期待感を得られます。

もちろん、転職後に臨んだプランが実現できないという流れになった場合にどうするかをセットで考えておく必要があります。その時のポイントが「業界という大枠」「職務という具体」の2軸で考えることが重要です。

【頻出の質問③】志望動機

転職理由(退職の理由)と同じくよく聞かれるのが志望動機です。
転職理由と志望動機に一貫性があり、論理的に説明できるものだと伝わりやすいでしょう。

これまでの経験と実績をベースに、転職先でどのような価値を提供でき、同時に新しい環境でさらに得られるものにも言及し、Win-Winの関係性で説明できると腹落ちしやすい志望動機になります。

【頻出の質問④】強み・弱み(得意・苦手)

強み・弱みについての質問も頻出です。強みと弱みに関しては表裏一体で説明するといいでしょう。強みは言い換えれば弱みになることが多く、その逆もしかり。それを理解できていることでメタ認知力や謙虚さがあるということに繋がります。

また、ポテンシャル採用である新卒面接とは異なり、即戦力を求められる中途採用において「コミュニケーション能力」などが一番の強みという内容はNGです。数値で表せる実績と、その背景を説明する定性面でのストーリーをセットで準備しておきましょう。

【頻出の質問⑤】キャリアプラン

数年先を見据えたキャリアプランは聞かれやすい質問です。
この質問に関しても、正直に応募先の職場でやりたいことを伝えるとよいでしょう。できれば、3年後・5年後・10年後のように時系列に分けて語れると具体的になって好印象です。

この際に「長く働いてもらえそうか。すぐに転職しないだろうか」という点も確認しています。

合否を左右する「逆質問」について

転職面接の最後に設けられているのが「逆質問」(応募者から面接官への質問)です。面接の「おまけ」のように捉えられがちですが、場合によっては逆質問が面接結果に影響することもあります。

面接官が逆質問をする意図

面接官が逆質問をする意図は主に以下の2点です。

  • 応募者の疑問や不明点を解消する機会を設けている
  • 応募者が本気で入社をしたいと思っているかを確かめている

上記のうち、特に合否に影響するのは後者のケースです。その場合におけるポイントを解説します。

好印象な逆質問のポイント

逆質問で好印象を残すポイントは「深堀り」です。十分な事前リサーチに基づいて行う逆質問は、面接官にポジティブな印象を与えます。

  • 企業理念
  • 社長メッセージ
  • 売上高、営業利益、キャッシュフロー
  • 従業員数、従業員構成
  • 事業内容、事業ポートフォリオ
  • 拠点数、拠点のロケーション

上記のような情報は、面接官に聞かなくても企業HPなどである程度わかる情報です。これらを事前に調べたうえで、気になる部分を深掘りするような質問が望ましいでしょう。
ここでカルチャーフィットを確認し、自分に合わないとわかったら選考を辞退する判断材料にもなります。

マイナス印象な逆質問とは?

一方で避けるべき逆質問は、「事前に調べればわかる質問」です。このような逆質問をすることで、企業分析をしていないことが面接官に伝わり、マイナスの印象を与えます。

たとえば「貴社の企業理念はどのような内容ですか?」といった質問は、事前に企業HPを見ればわかる内容なので避けましょう。

また、逆質問をアピールの場と勘違いし、長々としゃべってしまうのはNG。特になければ「十分ご説明いただき理解できました。」と感謝の意を伝えた上で質問を終えましょう。

これだけはNG!転職面接の回答で気を付けること

ここでは、転職面接で注意すべきポイントを解説します。

緊張しすぎている

転職面接の場で過度に緊張してしまうのはよろしくありません。

緊張を減らすためには、事前に想定される質問を書き出しておくことが効果的です。本記事で記載したよくある質問例や逆質問の意図に沿って、事前に面接の練習をしておきましょう。

これまでの経験・実績が申し分なく、転職理由に軸がある人は堂々と面接に臨むことができるでしょう。

一貫性がない

回答の一貫性がないと面接官に不信感を与えてしまいます。たとえば転職理由と志望動機に一貫性がない場合、「なぜ当社に入りたいのか?」の部分に説得力がなくなり、合格する可能性は大きく下がってしまうでしょう。

一貫性を持たせるためには、自分自身の経歴・実績・転職理由・志望動機・強み・弱み・キャリアプランをすべて書き出して俯瞰することが有効です。そして面接官の立場になって眺めてみて、矛盾している箇所がないか?をチェックしましょう。

回答の抽象度が高い

あいまいな回答もNGです。抽象的な回答をすると、あなた自身の人物像や魅力がぼやけてしまって面接官にしっかりと伝わりません。

たとえば、自身の強みで「部署内でMVPを獲得しました」とだけ回答しても、抽象的すぎて評価されないでしょう。回答する際は、5W1Hなどのフレームワークを意識して「なぜ」「何を」「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」といった要素を具体的に話すことが大切です。

問いに対し回答がズレている

面接官の質問とズレた回答をしないようにすることも気を付けるべき点です。質問と回答がかみ合っていない場合、「会話のキャッチボール」がうまくできない相手だと思われてマイナスの印象を与えてしまいます。

質問に対して的確に回答するためには、なるべく簡潔に話すことがポイントです。また、回答内容が質問とズレていないか心配なときは、「回答になっていますでしょうか?」と一言添えるだけでもプラスの印象を与えられます。

【まとめ】転職面接は定量的に説明できる準備を

転職面接では、以下のポイントは必ずといって良いほど聞かれます。

  • 経歴や実績(自己紹介含む)
  • 転職理由
  • 志望動機
  • 自身の強み・弱み(得意・苦手)
  • 今後のキャリアプラン

即戦力が求められる中途採用の転職面接では、経験や実績を定量的に説明できる準備をしておきましょう。それにより十分なスキルがあることを説明できます。

はじめての転職面接という場合、緊張することもあるでしょう。その場合は、よく聞かれる質問と自分自身の回答を事前に書き出して、具体的かつ一貫性のある内容になっているか確認しておくことがオススメです。

本記事で説明した内容も参考にしっかりと面接対策をして、あなた自身のキャリアをより良いものに変えていきましょう。