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正社員SESからフリーランス転身するメリット・デメリットは?

2023.11.29

作業内容や収入は安定するけれど、努力して身に付けたスキルがキャリアに反映されにくいSESという働き方。

将来にわたって市場価値の高いエンジニアとして働き続けたいと考えるなら、SESからフリーランスへの転身を検討しましょう。

この記事では、正社員SESからフリーランスへ転身する際のメリットとデメリットをご紹介します。SESからフリーランスへの転身を検討しているという人は、ぜひ参考にしてください。

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SESからフリーランスエンジニアのキャリアはあり?

SESからフリーランスエンジニアのキャリアはありなのでしょうか。結論から先に言えば、それは「あり」です。

会社員として働くSESエンジニアの場合、どれほど現場で実績やキャリアを積み重ねても、あるいは売り上げを大幅にアップさせてクライアントから高く評価されても、収入にはなかなか反映されにくいもの。エンジニアとしてのキャリアアップを狙うなら、正社員SESからフリーランスへ転身を果たし、スキルに見合った収入を得たいと考えるのは自然なことと言えます。

とはいえ、これまで会社の後ろ盾によって安定が保証された状態で働いてきた正社員エンジニアにとって、フリーランスへの転身は勇気がいることでしょう。フリーランスとして本当にやっていけるのか、収入は本当に上がるのかなど、さまざまなことを不安に感じてしまうかもしれません。

フリーランスへの転身に不安を感じる人は、まずはSESエンジニアとフリーランスとの働き方の違いを正しく理解するところから始めましょう。それぞれの違いが分かれば、自分の希望する働き方はどちらであるかを判断しやすくなります。

SESエンジニアとフリーランスの違いは?

SESエンジニアとフリーランス、この両者の違いは、「企業と雇用関係があるかどうか」にあります。雇用関係とはつまり、企業とエンジニアの間に雇用契約を結ぶ関係のことです。

雇用契約は民法623条に定められている労働供給契約の一つで、「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる」とされています(参考:民法第623条)。

雇用契約において、使用者すなわち企業側には、労働者が働くうえで必要なさまざまな事柄の保護が義務付けられています。具体的には、以下のような内容が保護対象となります。

  • 労働保険(雇用保険と労働災害保険)・社会保険(厚生年金や健康保険など)の加入
  • 年次有給休暇の取得
  • 残業代に関する規則
  • 労働条件の不利益変更の禁止(使用者が一方的に就業規則を変更しても、労働者の不利益に労働条件を変更することはできない:労働契約法第9条
  • 解雇権濫用法理(客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効となる:労働契約法第16条

参考:労働契約法のポイント|厚生労働省

フリーランスは正社員とは異なり、企業との雇用契約関係がありません。一般的なフリーランスエンジニアの場合、案件に従事する企業と業務委託契約を結んで働くことになります。業務委託契約(請負契約・委任契約)の場合、企業と契約を結ぶのは労働者でなく「事業主」という扱いになるため、労働者としての労働法上の保護を受けられなくなるのです。

正社員として享受してきたさまざまな保護や保障を受けられなくなるフリーランスは、見方によってはリスクの高い働き方と言えるかもしれません。一方で、企業と雇用関係にないからこそ、フリーランスにはさまざまなメリットもあります。

次項では、SESからフリーランスへ転身する際のメリット・デメリットについて詳しく見ていきます。

SESからフリーランス転身のメリット

まず、SESからフリーランス転身のメリットについて詳しく見ていきましょう。

案件の希望を通しやすくなる

フリーランスエンジニアになれば、案件の希望を通しやすくなるのがメリットです。

正社員SESエンジニアの場合、企業の営業担当者が取ってきた案件を選ぶ形で現場へ入ることになります。その際、ある程度の希望条件を提示できることはあっても、その条件を加味してもらえることはほとんどありません。むしろ希望条件とかけ離れた現場へ、会社命令で渋々出向しているというエンジニアさえいます。

フリーランスになれば、会社命令で業務に従事する必要がなくなるため、案件の希望を通しやすくなります。結婚・出産といったライフイベントや、趣味・趣向に応じた形で働き方を組み立てられるのは、魅力と言えるでしょう。

働き方の裁量が増えやすい

フリーランスエンジニアになれば、時間や報酬、働く場所など、働き方の裁量が増えやすいのがメリットです。

会社に属している場合には、就業規則に応じて始業時間・就業時間や場所、給与体系などが決まっており、それを遵守することが求められます。「決まっていることに従っていればいい」という意味では気楽な面もありつつ、それぞれの自由度が著しく低いことは否めません。

しかしフリーランスであれば、納期以外の働き方に関してはすべて自分の裁量で決定することができ、自由度の高い働き方が手に入るのです。

報酬が上がる可能性がある

フリーランスエンジニアのメリットとして、報酬が上がる可能性があることが挙げられます。多くの場合、フリーランス転身によって、手取りが2~3倍にアップします。

正社員SESの場合、あらかじめエンジニアに対しての単価が定められており、クライアント企業がSES企業に支払った費用をもとに給与が決定します。たとえエンジニアが現場で売り上げに高く貢献しても、クライアントから高く評価されたとしても、努力や実績が給与額に反映されることは基本的にはありません。

しかしフリーランスになれば、クライアントと直接契約を結んでいるので、努力や実績が金額に直接反映されます。しかもマージンを抜かれることがないため、報酬が上がることになるのです。

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SESからフリーランス転身するデメリット

SESからフリーランスへ転身する際には、当然ながらメリットばかりでもありません。ここでは、フリーランス転身のデメリットについてもしっかり押さえておきましょう。

収入が安定しない可能性がある

フリーランスの場合、収入が安定しない可能性があることはデメリットと言えるでしょう。

会社員SESの場合、クライアント企業の募集する案件を取ってくるのは営業担当者です。もし営業担当者が案件を取って来れなければ、エンジニアは現場へ参画することができなくなりますが、企業と雇用契約があるため収入の心配はありません。

一方フリーランスの場合は、営業もすべて自分で行わなければならず、案件を獲得できなければ収入もなくなります。案件の不安定な状態が続けば、収入も不安定になってしまうのです。

フリーランスエンジニアとして安定して働き続けるためには、継続的な営業と案件の確保が不可欠と言えます。

スキルによっては仕事が獲得しづらい

SESからフリーランス転身のデメリットとして、保有するスキルによっては仕事を獲得しづらいことが挙げられます。

正社員時代にSESとして現場でさまざまなスキルを積んでいたとして、それが同じようにフリーランスでも通用するかどうかは未知数です。現場によっては求められるスキルと自身のスキルがマッチしないこともあり、案件を獲得しづらい可能性もあるのです。

フリーランスとして幅広い案件に対応できるようになるためには、需要の高いスキルを習得し、自らの市場価値を底上げする努力が大切です。

自分で確定申告などの事務処理を行う

フリーランスになると、自分で確定申告などの事務処理を行わなければならないのもデメリットでしょう。

会社員の場合、税務処理や事務処理は会社の経理担当者などが専門的に行ってくれるため、労働者は指示された書類に記入するなど、特定の作業さえ行えば特に気にする必要がありません。しかしフリーランスの場合、会社で経理担当者が行ってくれていた事務処理をすべて自らの手で行う必要があり、これを煩雑に感じてしまうことがあるのです。

事務処理が面倒に感じた場合には、税理士に相談したり、フリーランスエージェントのサービスを利用するなどして、適切に処理していきましょう。

フリーランスは営業も自分でしないといけない?

デメリットでご紹介したとおり、フリーランスは自分の力で営業活動を行い、案件を獲得する必要があります。SESからフリーランスへ転身を考えているエンジニアの中には、「営業できる自信がない」と不安に感じる人もいるかもしれません。

そんな人におすすめしたいのが、エージェントの活用です。エージェントは、フリーランスが行わなければならない営業や単価交渉の代行、面接・スキルシート対策なども行ってくれるため、営業力に自信のない人でも安心して働けるようになります。

【まとめ】

正社員SESがフリーランスへ転身することは可能です。ただし、正社員、フリーランスそれぞれにメリット・デメリットはあるため、違いと特性を理解し、自分の希望やライフスタイルに合った働き方を選択する必要があります。SESの現場で培われた幅広いスキルと経験を武器に、フリーランスエンジニアとして高いキャリアを築きましょう。

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