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WEBエンジニアはポートフォリオを持とう!作成メリットやポイント、注意点を解説
2024.3.11
WEBエンジニアとして活動していくなかで「ポートフォリオってありますか?」と聞かれたことがあるかもしれません。
ポートフォリオはデザイナーが持っていることが多いものでしたが、近年ではWEBエンジニアの間でも活用されることが非常に増えてきました。
今回は、ポートフォリオを持つことのメリットの整理と、WEBエンジニアのためのポートフォリオ作成のポイントなどを解説していきます。
目次
ポートフォリオとは
ポートフォリオとは、自分の実績やスキルを示すために、過去の業務内容や作成した作品などをまとめた資料のことです。
主にデザイナーなどクリエイティブ系の仕事で活用されますが、最近ではエンジニアに対してもポートフォリオ提出が求められることが増えています。コーディングの実力や問題解決能力をアピールできる有効なツールといえますので、エンジニアも準備しておくとよいでしょう。
エンジニアがポートフォリオを持つメリット
エンジニアがポートフォリオを持つことで、自分の技術力やスキルを視覚的に証明できます。履歴書では伝えきれない実務能力を補完できるため、採用担当者に強い印象を与えられます。また、言語化が難しい部分も作品として表すことが可能です。自己理解を深めるきっかけにもなります。
転職や案件獲得に繋がる
ポートフォリオを作成しておくことで、転職活動や新規案件獲得の場面で大きなアドバンテージが得られます。
例えば、転職の面接時にポートフォリオを提示できれば、その場で自分の実務能力を証明することができます。言葉だけの自己PRには限界がありますが、実際の業務サンプルを示すことで能力を裏付けることができるため、開発スキルだけでなく「この人は伝える能力が高く、コミュニケーション能力も高いかもしれない」面接官に良い印象を与えることができます。
特に、SIerなどの大手IT企業では、ポートフォリオの提出を面接時に求められるケースが増えています。ポートフォリオがないと面接自体に進めない場合もあるため、転職には不可欠の書類といえます。
また、フリーランスとして新規案件を獲得する際には、ポートフォリオは必須です。
フリーランスは会社の後ろ盾がなく、自分で営業も行う必要があるため、充実したポートフォリオを1つ準備しておけば面談に繋がる可能性を高め、さらに自分の営業コストを大きく削減できます。実績を視覚的に証明できることで、潜在的なクライアントの理解を促し、案件獲得につなげやすくなるでしょう。
エンジニアはポートフォリオを持っていることで、転職や案件獲得における競争力が格段に向上します。
ミスマッチのリスク低減
採用において、応募者のスキルと求人企業が求めるスキルとの間にギャップがあると、入社後に業務上のミスマッチが発生するリスクが高まります。
しかし、応募者がポートフォリオを提出していれば、実務能力が具体的に見えるため、採用担当者が応募者と求人要件の適合度をより正確に判断できるようになります。
例えば、言語スキルに関しては、応募者が簡単な自己PRではなく、過去の実現例を載せておくことで、採用側もそのスキルを直接確認できます。
UI/UXデザインが求められる案件への応募であれば、過去のデザインサンプルを提出することで、採用側が志望動機だけでなく、具体的なデザイン力も評価できます。
このように、ポートフォリオによって、応募者の実務経験が可視化されることで、採用後の業務との適性に関する判断材料を得られ、ミスマッチリスクは低減されます。
キャリアプランの整理
ポートフォリオを作成することは、自分のキャリアを振り返り、今後のキャリアプランを整理する良い機会となります。これまでの職務経歴やプロジェクトを追う中で、自分がどのような業務に従事し、どのようなスキルを身に付けてきたのかを振り返ることができ、今後の方向性を考えるのに役立ちます。
また、代表的な業務成果をピックアップしてポートフォリオにまとめることで、自分の強みとなる知識・技能を再確認できるでしょう。
さらに、経験の足りない分野や弱点も明らかになることで、補完すべきスキルが見え、より隙のない経歴とすることもできます。
このように、ポートフォリオ作成を通じて、自分のスキルを棚卸しし、得意分野と改善点を洗い出すことができます。その上で、今後重点的に習得すべきスキルを設定し、次の目標に向けたキャリアプランを考えていけるので、ポートフォリオを作るメリットは非常に大きいといえるでしょう。
ポートフォリオ作成のポイント
ポートフォリオ作成時のポイントとして、まず、実際の業務で得た経験と成果をできるだけ具体的に示すことが重要です。概要だけでなく、関与した業務の内容と使用した技術を詳細に記載しましょう。
その際は、「結論→理由→詳細なプロセス」のようにブレイクダウンしていく形だと、読む人は大枠を掴みやすくなるでしょう。
また、ソースコードについても記載しておくことで、スキルの説得力が上がり、既存のエンジニアとの連携も考えやすくなるため整えておきましょう。
併せて、プロジェクトごとの開発実績の中で、その手法に至った背景・意図についても言及しておくことで、採用担当者に自分のエンジニアとしての思想やこだわりが伝わりやすくなります。付随する情報を充実させることでより職場で活躍できるかどうかを想像しやすくなります。
採用側にとって分かりやすい資料作成を心がけることで、ポートフォリオの完成度と説得力は大きく向上しますので、第三者にレビューしてもらうなどもおすすめです。
ポートフォリオのブラッシュアップ・改訂について
ポートフォリオは一度作って終わりではなく、定期的に内容を更新していくことをおすすめします。一般的なタイミングとしては、プロジェクトごとにアップデートするのがいいでしょう。時間が経過してしまうとディテールを思い出せない可能性もあるため、プロセスを完遂したタイミングでポートフォリオを更新する時間を設けるのがよいかと思います。
UI/UXデザイン能力が向上した場合は、新しいデザインサンプルを追加することを検討しましょう。
ポートフォリオの活用方法
ポートフォリオの主な活用場面は転職活動や営業の場面ですが、それ以外にも活用方法があります。
まず、Web上でポートフォリオを公開することで、自分の作品や実績を広くアピールできます。
SNSと合わせて運用し、WEB上でシェアしたり自分のサイトを掲載しておくことが一般的です。
ポートフォリオを積極的に活用することで、スキルアピールはもちろん、自己啓発や個人のプロモーションにも活かすことができるでしょう。
ポートフォリオ公開の効果と注意点
ポートフォリオをSNSやWebサイトで公開するメリットは、自分のスキルと実績を広くPRできることです。企業から直接スカウトを受けるきっかけになったり、知名度を高めることで仕事のオファーが増えたりする可能性があります。
一方で、注意点もあります。
まず、他人の作品の無断転用は著作権法に抵触するため、公開範囲には十分注意が必要です。特に企業の営業秘密や顧客情報に関わる内容は公開できません。詳細なコードなどを公開してしまうなどはNGであることが多く、守秘義務契約に違反しない範囲での公開にとどめるべきです。
また、作品の核心となるアイデアやノウハウを詳細公開すると、それを利用した模倣被害が発生するリスクがあります。
評価できる範囲で公開し、独自のアイデアは保護する等の配慮が欠かせません。宣伝効果とリスクのバランスを取りながら、適切な公開範囲を設定する必要があります。
まとめ
WEBエンジニアの間でもポートフォリオを作成し保有しておくことのメリットは非常に大きいです。特にフリーランスとして活動する場合は必ず作成しておきましょう。
一方でポートフォリオの中でどこまで詳細に説明してよいかには注意する必要があります。企業の守秘義務に触れないよう、公開範囲をあらかじめ確認の上、作成してみてください。