SES
SES面談に合格するための質問対策をSES営業が解説!
2023.11.14
SES面談は、ITエンジニアがクライアント企業の常駐案件へ参画する前に行われる顔合わせのことです。ここでクライアント先企業の求めるスキルや能力を持った人材かどうかの審査が行われ、態度や受け答え内容などを総合的に判断して合格・不合格が決定します。
SES面談で合格するためには、どのような対策や準備が必要なのでしょうか。
この記事では、SES面談に合格するための質問対策を、SES営業が徹底解説します。「何度もSES面談に臨んだが、不合格になる・・・」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
SES面談とは?まずは目的を理解しよう
SES面談とは、SES(システムエンジニアリングサービス)としてITエンジニアを派遣する前に、クライアント企業が顔合わせや現地見学といった名目で行う面談のことを言います。
労働者派遣法第26条6項では、労働者派遣に当たっての「特定目的行為」が禁止されています。ここで言う特定目的行為とは、「労働者派遣に先立って面接をすること」「労働者の履歴書を送付させること」「発注にあたって若年者に限るなど指示すること」などが該当します。
参考:特定目的行為の禁止について|厚生労働省
このためSESにおいても、派遣に先立っての面談は禁止されています。SES契約は、厳密に言えば派遣契約とは定義や分類が異なるものではありますが、派遣契約と類似する部分も多いため、これに準じる形になっているのです。
とはいえクライアント企業としては、必要な技術スキルが派遣されるITエンジニアに備わっているか、あるいは現場で問題なく業務を遂行できるコミュニケーションスキルがあるかなどを事前に把握しておきたいものです。この部分にミスマッチが発生すると、いざITエンジニアが開発現場に参画したとき、スムーズに作業を進められなくなる可能性があるからです。
このためSESにおいては、派遣する予定のITエンジニアが事前にクライアント企業と顔合わせを行うという、事実上の面談が行われているのです。
この記事では、SESに際してクライアント企業がITエンジニアと行う顔合わせのことを「SES面談」という呼称で統一しています。
SES面談で見られている3つの要素
まず初めに、SES面談において、ITエンジニアがクライアント企業から見られている3つの要素についてご紹介します。
スキルマッチ
最初に見られている要素は、スキルマッチです。
参画予定の案件に対して、ITエンジニアに必要とするスキルがあるか、またスキルに対しての経験値や習熟度についての詳しい確認が行われます。
事前に提出するスキルシートだけでは、ITエンジニアにどの程度のスキルセットが備わっているかを完全に把握することはできません。経験が長いからといってスキルが高いとも限らないため、実際どの程度の経験や知識があるのかを細かく把握しておく必要があるのです。
コミュニケーション能力
次に大切な要素として、コミュニケーション能力が挙げられます。どれほど高いスキルを持っていたとしても、適切なコミュニケーションが取れなければ、現場における業務に支障をきたす恐れがあるためです。
具体的には、面談を通じて以下のようなポイントが見られています。
- 質問に対して的確な回答ができているか
- 相手の質問の意図を理解できているか
- 自分の意見や意思をわかりやすく伝えられているか
仕事への姿勢
3つ目の要素は、仕事への姿勢です。スキルセットやコミュニケーションに問題がなくても、この要素で評価されなければSES面談で断られてしまう可能性があります。
これまでの経歴やこれからのキャリアに対して、必要以上に後ろ向きだったり、逆に自分を過大評価しすぎたような発言を面談時にしてしまうと、マイナス評価をされてしまうかもしれません。
クライアント企業は、新しく参画する現場に対して、前向きに、かつ誠実に向き合い、士気を高めてくれる人材を求めています。そのため面談においても、ITエンジニアの仕事への姿勢が重要な要素となっているのです。
SES面談の質問対策を解説
ここでは、前項でご紹介した3つの要素をもとに、実際のSES面談における具体的な質問対策を解説していきます。
スキルマッチに関する質問
スキルマッチに関する質問では、ITエンジニアの職歴や経験をもとに質問されます。スキルに関しては誇張せず事実を正確に伝えるとともに、多少自信のないスキルであってもチャレンジする姿勢をアピールしましょう。
スキルシートをベースに深掘られることが多い
SES面談においては、まずスキルシートをベースとしてこれまでの経歴などについて深掘りされることが多い傾向があります。
これまでの業務においてどのようなスキルや技術を活かしてきたか、どのようなポジションでプロジェクトに携わってきたか、どんな責任を負ってきたかといったことを具体的に説明しましょう。
参画する案件に求められるスキルと、ITエンジニアの保有しているスキルがマッチしているかは特に重要なポイントです。もし多少マッチしていなかったとしても、ITエンジニアとしてこれまでに得たさまざまなスキルが、クライアント企業や参画予定の案件にどのように貢献できるかをアピールしましょう。
技術力に不安があってもチャレンジできることも
経験が浅いITエンジニアの場合、自分の技術力に対して不安があるかもしれません。そのような時は、これまでの経歴やそこで得た知見をわかりやすく伝えるとともに、不足している技術について現在進行形で学習していることをアピールしましょう。
たとえ技術力に不安があったとしても、それに対して真摯に向き合っているとアピールすることによって、クライアント企業から前向きな姿勢と評価してもらえる可能性があります。
スキルに関して話を盛ってはいけない
注意しなければならないのは、スキルに関して話を盛ってはいけない点です。SES面談においてスキルをアピールすることは大切ですが、必要以上に誇張しすぎないよう気をつけましょう。
ITエンジニアの実際のスキルとクライアントの求めるスキルの間にミスマッチが生まれれば、実際に現場へ参画したときに業務をスムーズに進められません。ともすればクライアント企業とのトラブルに発展するケースもあるため、スキルに関しては事実を正しく伝えることが大切です。
コミュニケーション能力に関する質問
コミュニケーション能力に関する質問では、ITエンジニアの受け答えや回答をもとに、参画予定の案件の現場でスムーズに業務を遂行できるかどうかのチェックが行われます。
途中から現場に入って問題ないかを見ている
多くの場合、参画するプロジェクトへは途中から入ることになります。すでに稼働しているメンバーがおり、メンバーや現場特有の雰囲気があり、決められたルールがあります。
SES面談では、このような途中から参画する現場に対して、ITエンジニアが適応できるかどうかが重視されます。既にいるメンバーと良好な関係を構築し、チーム一丸となってプロジェクトを成功へ導ける人材であることをアピールしましょう。
協調性についての質問が多い
コミュニケーション能力に関する質問では、協調性についての質問が多く行われます。
システム開発の現場は、チームメンバーはもちろん、クライアントや関係企業など幅広い人々と関わりながら業務を遂行する必要があります。そのため、協調性は特に重要と考えられているのです。
非言語コミュニケーションも重要
SES面談においては、非言語コミュニケーションも重要な評価ポイントとなります。非言語コミュニケーションとは、例えば表情や姿勢、視線、声の大きさや話す速度、相手との距離感などを指します。またコミュニケーションではないものの、身だしなみも印象を大きく左右する要素と言えるでしょう。
心理学においては、「話し手が聞き手に与える印象の93%は非言語的要素で決まる」と言われています(メラビアンの法則)。つまり、どれほど雄弁に自らのことを語ったとしても、実際にはたったの7%しか伝わっていないと言うことなのです。
非言語コミュニケーションは、口から発する言葉以上に人の本質的な部分を雄弁に伝えます。SES面談でも、積極的に非言語コミュニケーションを活用しましょう。
仕事への姿勢についての質問
仕事への姿勢についての質問は、参画する案件に限らず、ITエンジニアとしての仕事への向き合い方が問われます。
スキルとコミュニケーションが問題なかった場合に行われることが多い
仕事の姿勢についての質問は、業務スキル、コミュニケーションに大きな問題がなかった場合の最終確認として行われることが多い傾向です。逆に言えば、スキルやコミュニケーションで「今回は見送り」と判断されてしまった場合には、仕事への姿勢についての質問が行われない場合もあるということになります。
スキルやコミュニケーションがどれほど素晴らしかったとしても、目の前にある仕事に対しての責任感がなければ、プロジェクトの進行に支障をきたす可能性もあります。そのため、仕事やプロジェクトにおいて何らかのトラブルが発生した場合にどう対処できるか、その能力を確認する必要があるのです。
仕事への責任感などが問われる
仕事への姿勢についての質問では、案件やプロジェクトに対して責任感をもって臨める人材かどうかという点がチェックされます。
いざ案件に参画してトラブルが発生した際に、急に休みがちになったり辞めることがなく、トラブル解決まで導けるポテンシャルを持っていることをアピールしましょう。
炎上したプロジェクトで逃げずにやり遂げた経験などは引きが強い
SESに限らず、開発現場のプロジェクトが炎上してしまうことはよくあります。このような場面でも逃げることなくやり遂げられた経験を持っている人は、クライアントから「信頼できる」と評価されやすいでしょう。
実際の炎上プロジェクトの現場というのは、想像を絶する独特の雰囲気の中で進行していきます。場合によっては残業続きになり、心身ともに疲弊してしまうことさえあります。このような経験が有るか無いかは大きな違いであり、炎上プロジェクトの経験があり、かつ逃げずにやり遂げられたのであれば、耐性があると判断されやすくなるのです。
SES面談の逆質問は2軸を織り交ぜるとGOOD
SES面談においては、逆質問を行う時間が設けられることも少なくありません。この場合には、現場目線、自分目線の2軸をうまく織り交ぜて質問するのが良いでしょう。
逆質問をすることは、担当者の印象が良くなるだけでなく、面談の質問だけでは伝えきれなかった自分のポテンシャルをアピールできるなど、さまざまなメリットがあります。
ここでは、SES面談でメリットの多い逆質問のバリエーションをいくつかご紹介します。
①現場目線の逆質問
1つめの軸となるのは、現場目線での逆質問です。現場に配属されるメンバーの一人として、気になることをピックアップして投げかけましょう。
この逆質問におけるポイントは、求められているスキルや能力を詳細まで理解し、事前準備をしっかりと行っておくことにあります。現場がどのような状況で、どういう人材を欲しているかは事前に把握しておくべき内容であり、それに基づく疑問点を投げかけることが大切です。実際に自分が現場で開発を行っている様子をイメージしながら考えると良いでしょう。
具体的には、以下のような質問が挙げられます。
- PMから降ってくるタスク粒度
- 参画前に情報のキャッチアップは可能か
- 現場で使用されているツール類を一通り把握したい
これ以外にも、自分にしかできないようなオリジナルの質問を考え、準備しておきましょう。
②自分目線の逆質問
2つめの軸となるのは、自分目線での逆質問です。いちITエンジニアとして気になるポイント、これまでの業務経験から重視しているポイントなどをアピールできるチャンスと言えます。
具体的には、以下のような質問があるでしょう。
- 月の平均残業時間はどれくらいですか?
- チームメンバーで交流を深める機会はありますか?
【まとめ】SES面談は3つの要素を理解すれば乗り越えられる
SES面談では、「スキルマッチ」「コミュニケーション能力」「仕事に対する姿勢」という3つの要素を理解しておくことが重要になります。これらの要素を理解し、適切な受け答えができるようにSES面談の準備を進めましょう。SESや面談に関して興味の有る方は、Remotersまでお気軽にお問い合わせください。