お役立ち
Rubyをざっくり理解|概要、メリデメ、将来性、学習難易度など解説
2023.8.14
Rubyは、バランス性・柔軟性に優れた日本生まれのプログラミング言語です。1995年の公開以来、世界中のプログラマーから愛されており、GitHubの「The top programming languages」や「TIOBE Index」でも常に上位にランクインしています。
長い年月を経てなお注目を集めるRubyとは、どのようなプログラミング言語なのでしょうか。この記事では、Rubyの概要やメリット・デメリット、将来性、学習難易度などについてざっくり解説します。転職やフリーランス独立に向けてこれからRubyを学習しようと考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
Rubyとは
まず初めに、Rubyというプログラミング言語の特徴や出来ることについて見ていきましょう。
Rubyの特徴
Rubyは、まつもとゆきひろ氏(通称「Matz」)によって開発された、日本生まれのプログラミング言語です。1995年にオープンソースとして公開され、2011年3月22日にJIS規格「JIS X 3017」として制定、さらに2012年4月には日本発のプログラミング言語として初めて国際規格「ISO/IEC 30170」に承認されました。国際規格となったことで、言語の持つ安定性や信頼性がさらに高まり、今なお世界中で高い支持を誇っています。
参考:Rubyが国際標準に、日本発プログラミング言語で初|日経XTECH
Rubyはオブジェクト指向言語です。コードにおけるデータ型はすべてオブジェクト化されており、シンプルで可読性の高いコード進行を実現しています。オブジェクト化によって修正点やエラー箇所を特定しやすくなり、初心者でも学習しやすい点は大きな特徴と言えるでしょう。
Rubyという名前は、同じくプログラミング言語であるPerlと同音の「パール(真珠)」が6月の誕生石であることから、7月の誕生石ルビーにちなんで名づけられました。「Perlに続く」という意味が込められています。競合言語として、Perlのほかに近年注目されているPythonもあります。
「Ruby on Rails」との混同に注意
Rubyを語るうえで、「Ruby on Rails」の存在は欠かせません。両者は混同しやすいので、初心者はとくに注意が必要です。
Ruby on Railsとは、Rubyによって開発されたMVCモデルのWebアプリケーションフレームワークです。他のフレームワークより少ないコード進行によって開発を進められるよう設計されており、これにより効率的なアプリケーション開発を実現します。
Ruby on Railsには、「同じことを繰り返さない」「設定よりも規約」という独特とも言える2つの哲学があります。「同じことを繰り返さない」とは、定義などは何度も書かないで1回にまとめることを意味します。また「設定よりも規約」とは、規約を遵守することで設定の手間を減らすことを指します。これによりコードの保守性や拡張性を確保しつつ、厳格なルールのもとで開発を効率化できるのです。
Rubyで出来ること
Rubyを利用することによって、WebサービスやWebアプリケーション、スマートフォンアプリ、APIなどさまざまな開発ができます。
たとえば以下のものはRubyで作られており、幅広いサービスで利用されていることが分かります。
- Airbnb
- グノシー
- cookpad
- Hulu
- GitHub
- クラウドワークス
- 価格.com
Rubyのメリット・デメリット
Rubyがどのようなプログラミング言語か理解できたところで、Rubyを学習するメリットとデメリットについても詳しく見ていきましょう。
メリット|シンプルで自由度の高いため記述しやすい
Rubyは動的型付け言語であり、ソースコード内で型宣言を必要としません。このためシンプルで自由度の高いコード進行が可能になり、プログラマーとして記述しやすいのが特徴です。シンプルな構文のためソースコードの可読性も高く、修正やエラー箇所の特定が容易にできます。デバッグもしやすいため、初心者が習得しやすいプログラミング言語と言えるでしょう。
メリット|初心者も習得しやすい
JavaやC言語は静的型付け言語と呼ばれ、プログラムの実行にはコンパイルという作業が必要です。コードにエラーがあればコンパイルエラーになりますが、初心者の場合はエラーの原因を特定するのが難しく、これが原因で挫折してしまうこともあります。一方Rubyは動的型付け言語であり、コンパイル作業は不要です。コンパイルの煩雑な作業から解放され、学習をスムーズに進められます。
またRubyは日本発のプログラミング言語のため、日本語ドキュメントが豊富に用意されているのも、初心者にはメリットと言えるでしょう。困ったことや分からないことがあった際にも情報収集がしやすく、学習を安定して進められます。
デメリット|大規模開発には向かない
Rubyのコードは自由度が高いため、プログラマーの書き癖や好みによってソースコードの完成度が大きく左右されます。そのため、複数人によって大規模なシステムを構築するような開発案件には、Rubyはあまり向きません。
もし大人数で開発を行う場合には、あらかじめコーディングルールを設定して周知するか、フレームワーク「Ruby on Rails」を使用するなどの対策を行う必要があります。
Rubyの学習難易度は?
シンプルかつ直感的なRubyの設計コンセプトは、「ストレスなくプログラミングを楽しむ」ことにあります。そのためRubyは他のプログラミング言語と比較して学習しやすいと言われており、学習難易度は低めです。
一般的にプログラミング学習に必要な時間は「1000時間程度」と言われますが、Rubyの場合、早い人なら300時間~500時間程度で習得できるでしょう。
Rubyには「gem(ジェム)」と呼ばれるライブラリが豊富に揃っており、これらを組み合わせるだけである程度のWebサービスを簡単に作れるようになっています。Webアプリケーションを効率的に開発できることから、ベンチャーやスタートアップ企業で使用されることが多いです。
Rubyの将来性は?
Rubyは効率的なWebアプリケーション開発ができるため、スタートアップ企業やベンチャー企業で使用されることが多く、今でも根強い人気を誇っている言語です。開発から運用・保守まで幅広い需要があり、Webサービスを手掛ける企業は今後も増加傾向と予想できることから、Rubyの将来性は高いと言えるでしょう。
RubyのなかでもRuby on Railsを使用した開発案件は多く、これからRubyの学習を始めるのであれば、Ruby on Railsも合わせて習得することをおすすめします。受注できる案件の幅が広がることで、転職活動や案件探しを有利に進められるようになります。
一方、近年ではAIやデータサイエンス分野がとくに注目されていることから、その点で強みを持っているPythonと比較して、Rubyの競争力が低いのは事実です。エンジニアとして将来的にAI分野へ力を入れていきたいのであれば、他言語への展開も視野に入れながら学習を進めるとよいでしょう。
Rubyのフリーランス案件は?
大手フリーランス案件サイトでRuby案件を検索すると、該当案件数は2601件でした(2023年8月現在)。Pythonが3632件、TypeScriptが2567件であることから、近年注目されるモダンなプログラミング言語に引けを取らない案件数があることが分かります。
案件の内容を見てみると、オンラインサービスの開発、顧客プラットフォーム開発、クラウド型サービス開発など幅広く、求めるスキルとして「Ruby on Railsを用いた開発実務経験」を挙げているところも多くありました。実務として2~3年程度のRuby開発経験があれば、フリーランスとして比較的有利な条件で案件を獲得できるでしょう。
Ruby案件はリモートワークしやすい
Ruby、とくにRuby on RailsはWebアプリケーション開発に適していることから、開発もWebを介して行われることが多く、リモートワークしやすいのが特徴です。フリーランスエンジニアとしてRubyスキルを習得できれば、幅広い案件のなかから自分に合った案件を探しやすくなります。
Rubyのリモートワーク案件を探しているなら、Remotersにお任せください。
Remotersはリモート案件に特化したエージェントサービスなので、住んでいる地域に関係なく理想の案件を見つけられます。Rubyのリモート案件であれば、サーバーサイドエンジニアからWebエンジニア、人気のDX関連案件まで幅広くご用意しています。お気軽にご相談ください!
【まとめ】
Rubyは日本生まれのオブジェクト指向型言語であり、文法がシンプルなためプログラミング初心者に適した言語です。これからプログラミングスキルを習得したいと考えるなら、Rubyを学習してエンジニアとしてのキャリアを形成していきましょう。フレームワークRuby on Railsも習得すれば、受注できる案件の幅がさらに広がります。