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プロンプトエンジニアになるには?将来性/年収/向いている人を解説
2024.2.10
生成AIの登場で、エンジニアの仕事が奪われるなどと言われることがあります。一方で生成AIの登場により新しく生まれる専門職があるとも言われています。
その1つが「プロンプトエンジニア」です。今回は需要が高まりつつあるプロンプトエンジニアについて解説していきます。生成AI時代のエンジニアを目指す方はぜひご覧ください。
目次
プロンプトエンジニアとは?
プロンプトエンジニアとは、AIに対するプロンプト(質問や命令)を作成するエンジニアです。ChatGPTなどの対話型AIに質問を投げかけ、回答を引き出すプロンプトを設計するのが主な仕事です。自然言語処理などの知識が必要とされ、AIの発展に貢献する新しい職種といえます。
プロンプトエンジニアの将来性は?
プロンプトエンジニアの将来性は高いと言えます。ChatGPTをはじめとするAIはますます進化を遂げており、AIを上手く使いこなすプロンプトエンジニアへの需要は高まる一方です。
その理由として2つのポイントを挙げてみます。
①生成AI市場の拡大
ChatGPTをはじめ生成AIは急速に拡大しつつあり、ビジネスでは既に導入が進んでいます。
今後、サービス業、教育、医療など、多くの産業で実用化が進むと予想されています。
②プロンプト作成の専門性の高まり
生成AIを上手く使いこなすには、質の高いプロンプトを投入する必要があります。プロンプトによって出力される結果が全く異なる場合もあるため、思うような結果を出力させるためには、緻密なプロンプト作成が欠かせません。
AIのアウトプットから逆算したプロンプトを考えるという思考は高い専門性が求められるため、プロンプトエンジニアへの需要が高まることが予想されます。
このように、生成AI市場の拡大と発展に伴い、プロンプトエンジニアの存在感は確実に高まっていくと考えられます。
プロンプトエンジニアの年収は?
プロンプトエンジニアの年収は、エンジニア平均と比べると高めです。AI関連のスキルが必要とされるため、年収800万円から1200万円程度といった水準になると見込まれます。経験と実績によって年収1200万円を超えるケースもあるため、高収入が望める職業といえます。
プロンプトエンジニアの業務内容は?
プロンプトエンジニアの主な業務は、AIモデルの分析・テスト、プロンプトの設計・最適化、言語生成能力の改善などです。ChatGPTなどへの質問作成だけでなく、回答の精度向上のための修正作業も含まれます。業務には高度な専門性が求められ、AI開発の最先端を担う仕事内容となります。
具体的には以下のような業務を担当します。
- AIモデルの分析とテストを行い、回答の質を評価する
- AIに入力する質問や命令といったプロンプトを設計する
- 入力したプロンプトに対するAIの回答を分析し、プロンプトを改善する
- AIの言語生成能力を高めるため、豊富なバリエーションのプロンプトを入力する
- Web上の大量の文章や会話データを分析し、AIの学習データを作成する
- AIの回答精度が低い場合、エラーや原因を特定して対策する
代表的な職務としては、ChatGPTに投入する質問を作成したり、回答を改善するためのプロンプトを最適化したりする仕事です。自然言語処理や機械学習などの専門的な知識が必要不可欠となります。
プロンプトエンジニアに向いている人は?
プロンプトエンジニアに向いているのは、言語感覚が豊かで思考力の高い人です。機械的な作業よりも、創造性を発揮できる仕事を好むタイプに適しています。優れたコミュニケーション能力も必要となります。探究心が強く新しいことを取り入れる柔軟性も求められる職業といえるでしょう。
プロンプトエンジニアに必要なスキル
プロンプトエンジニアに必要な主なスキルは、以下のようなものが挙げられます。
①自然言語処理スキル
自然言語処理とは、コンピュータに人間の言語を理解させる技術です。大量のテキストデータを分析して、言語の構造や意味、文脈を理解することができます。
プロンプトエンジニアは、自然言語処理を使ってAIに投入するプロンプトを最適化します。具体的には以下のようなスキルが必要です。
- 言語の文法構造や意味の解析手法を理解する
- AIに人間の言葉を生成させる技術を学ぶ
- 大量のテキストから学習データを作成する方法を習得する
- ニューラルネットワークを使った言語モデルの仕組みを学ぶ
- 機械翻訳や言語生成タスクでNLPを活用できる
自然言語処理のアルゴリズムや技術を習得することで、AIシステムの言語能力を高められるようになります。プロンプトエンジニアにとって、NLPは必須スキルといえます。
②Pythonなどのプログラミングスキル
Pythonなどのプログラミングスキルは、プロンプトエンジニアに欠かせない能力です。
PythonはAIや機械学習分野でよく使われるプログラミング言語です。Pythonを使えることで、以下のようなことができるようになります。
- AIアルゴリズムをPythonで実装できる
- 大量のデータを読み込み、整形、分析することができる
- PyTorchやTensorFlowなどのディープラーニングフレームワークを扱える
- WebアプリケーションやAPIをPythonで開発できる
- NLPライブラリ(spaCyなど)を使って自然言語処理が実装できる
また、コードを書くことでAIシステムの仕組みを深く理解できます。
プログラミング未経験からでも、Pythonは習得しやすい言語です。このプログラミングスキルを身につけることが、プロンプトエンジニアへの近道となるでしょう。
③最新のAIフレームワークに関する知識
最新のAIフレームワークに関する知識は、プロンプトエンジニアに欠かせないスキルの一つです。
代表的な最新フレームワークとしては、OpenAIのGPT-3やGoogleのBERTなどがあげられます。
これらのフレームワークを熟知していることで、以下のメリットがあります。
- 最新の仕組みを取り入れた高精度なモデルを構築できる
- 大規模プリトレーニング済みモデルをチューニングできる
- Attention機構やTransformerなどの仕組みを理解できる
- 言語モデルの生成能力を最大限に引き出せる
- 既存モデルの改良点を把握できる
プロンプトエンジニアは、最新のAIアルゴリズムをいち早く業務に取り入れることが求められます。そのためにも、最新フレームワークの知識が不可欠なのです。関連する学会や論文を通じて常に最新の動向をキャッチアップすることが重要です。
この他にも、データ分析力、コミュニケーション能力、探究心、倫理観などがプロンプトエンジニアには必要とされるスキルといえます。技術と人間性を兼ね備えることが理想的なプロンプトエンジニアのスキルセットとなります。
プロンプトエンジニアになるためには、自然言語処理、Pythonなどのプログラミング、AIフレームワークの知識など幅広く求められます。
創造性豊かな言語感覚と論理的思考力、優れたコミュニケーションスキルも欠かせません。新しい技術への関心と学び続ける姿勢が大切なスキルといえるでしょう。
プロンプトエンジニアの求められる意識とマインドセット
プロンプトエンジニアには、AIの未来を切り拓く開拓者としての意識が求められます。最新の技術を取り入れる柔軟な姿勢、AIの倫理面への深い洞察力、コミュニケーションを大切にするマインドが重要です。AIを正しく世の中に役立てることを使命とする意識が不可欠なのです。
まとめ
プロンプトエンジニアは、AI分野で先進的に活躍できる魅力的な職業です。言語感覚と思考力、探究心をもつ人にとって、将来性の高い仕事と言えるでしょう。AI時代を切り拓く者としての自覚と使命感が必要とされる職業といえます。