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ITストラテジストとは?資格試験や仕事内容、年収について解説

2023.10.20

ITストラテジスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施している試験区分のひとつです。CIOやCTO、ITコンサルタントを主な対象としており、難関の国家資格となっています。本記事では、ITストラテジストの試験内容や仕事内容、年収などを解説します。

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ITストラテジストとは?

情報処理推進機構(IPA)では、ITストラテジストを「経営とITを結びつける戦略家」と定義づけています。具体的には、企業の経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを用いて業務改革などを実現するCIOやCTO、ITコンサルタントなどを指します。

IT職種のなかで最も経営に近い領域で活躍する専門家であり、IT戦略の策定や新システムの企画・構想などの超上流工程を担うことが一般的です。

ITストラテジスト試験について

ITストラテジストを対象としたIT国家資格として、情報処理推進機構(IPA)が開催しているITストラテジスト試験があります。ここでは、ITストラテジスト試験の制度や合格率、資格取得のメリットについて解説します。

試験の制度

ITストラテジスト試験の制度は以下のとおりです。

運営団体独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
試験日程毎年1回 春季(4月)
試験時間9:30~16:30
試験場所全国
受験料7,500円
合格ライン各区分試験で100点満点中60点以上 午後Ⅱの論述式問題でAランク評価
受験資格特になし


試験は以下の4区分に分かれて出題されます。

試験区分試験時間出題形式出題数・解答数
午前Ⅰ試験9:30~10:20多肢選択式(四肢択一)出題数:30問 解答数:30問
午前Ⅱ試験10:50~11:30多肢選択式(四肢択一)出題数:25問 解答数:25問
午後Ⅰ試験12:30~14:00記述式出題数:3問 解答数:2問
午後Ⅱ試験14:30~16:30論述式出題数:2問 解答数:1問


午前Ⅰ試験ではIT全般の基礎知識が出題されます。以下の条件を満たしている場合は、午前Ⅰ試験の免除も可能です。

・応用情報技術者試験に合格済み
・他の高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験に合格済み
・他の高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上を獲得済み

午前Ⅱ試験では、システム企画や経営戦略マネジメントなどの分野が選択問題で出題されます。午後Ⅰ試験は記述式で、ITを活用した事業戦略の策定や実行管理に関する問題が出題されます。そして午後Ⅱ試験は論述式となっており、指定されたテーマや文字数にしたがい、ITストラテジストとしての自身の経験に基づき回答します。

合格率

ITストラテジスト試験の合格率は、令和5年度春期で15.5%です。毎年14~15%程度の合格率となっており、およそ7人に1人が合格する難関資格となっています。ITストラテジスト試験に合格するためには、十分な準備期間を確保したうえで、計画的に学習していくことが求められるでしょう。

資格の取得メリット

ITストラテジスト資格を取得するメリットとしては、主に以下が挙げられます。

・IT戦略策定やシステム構想・企画の専門家としてのスキルを客観的に証明できる
・ITストラテジストとしての自分自身の知識やスキルの棚卸しができる
・企業によっては報奨金や資格手当をもらえる
・他の高度情報処理技術者試験を一部免除できる
・ITコンサルタントなど高収入のIT専門職に転職できる可能性が高まる
・フリーランスのITコンサルタントなどの場合は、クライアントからの評価を得やすい

ITストラテジスト資格を取得することで、会社員・フリーランスいずれの場合でもITストラテジストとしての自分自身の知識・スキルを客観的に証明することが可能です。それにより、現在の職場での評価向上や転職市場価値の向上、フリーランスとしての案件獲得などが期待できるでしょう。

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ITストラテジストの仕事内容について

ここでは、ITストラテジストの主な仕事内容について、以下の項目を解説します。

・IT戦略の策定
・開発・運用統括
・モニタリング

IT戦略の策定

ITストラテジストの代表的な仕事として、IT戦略の策定が挙げられます。企業の経営課題を適切に捉え、ITを活用した業務改革やコスト削減などの施策を立案します。経営とITを結びつける立場であることから、役員などの経営メンバーと関わる機会が多くなるでしょう。

開発・運用統括

IT戦略を立案した後は、システム開発プロジェクトやITツール導入プロジェクトの統括を行います。主に上流工程に携わり、費用対効果を踏まえた最適なシステム・ITツールの選定や導入サポートなどを行います。企業の経営課題の解決に役立つ最適なシステム・ITツールを選定するうえでは、最新のIT技術への理解も求められるでしょう。

モニタリング

開発・導入したシステムやITツールのモニタリングも仕事内容の一部です。運用状況を踏まえたリスク分析・評価や経営効果の確認などを行っていきます。経営に対して十分な効果が見られない場合は、運用プロセスの改善などを提案する場合もあります。

その後のキャリア

ITストラテジストのその後のキャリアとしては、企業のCIOやCTO、コンサルティング会社のITコンサルタント、フリーランスのITコンサルタントなどが挙げられます。いずれの立場においても、経営に違い立場でITの専門性を活かして働くことになるでしょう。

ITストラテジストとして活躍するためには、経営課題を網羅的に洗い出す論理的思考力や最適なITシステムを見定めるための知見などが必要です。

ITストラテジストの年収は?

経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、ITストラテジスト(コンサルタント)の平均年収は928.5万円です。これはIT職種のなかで最も高い水準となっており、次にプロジェクトマネージャ(891.5万円)、高度SE・ITエンジニア(778.2万円)が続きます。

年収が高い分、同調査が示すスキル標準レベルも4.1とプロジェクトマネージャ(スキル標準レベル4.2)に次ぐ水準となっており、高度なスキルや専門性が求められる立場であることがわかるでしょう。

ITストラテジストはリモートワーク可能?

ITストラテジストは、リモートワークを行いやすい職種となります。ITストラテジストの主な仕事はIT戦略の立案や開発・運用統括、開発後のモニタリングなどですが、いずれもオンライン会議やサーバー環境などへのリモートアクセスによって対応することが可能です。

ただし、所属する企業や取引先のクライアントによっては、対面形式での打合せを基本としている場合もあります。リモートワークのしやすさは案件によっても異なるため、ITストラテジストとしてリモートワークを行いたい場合は、リモートワークOKの案件を見つけるようにしましょう。

【まとめ】ITストラテジストのリモート案件ならRemoters

ITストラテジストは「経営とITを結びつける戦略家」であり、企業の経営戦略に基づくIT戦略の策定や開発・運用の総括などを行います。IT職種のなかで最も経営に近い領域で活躍する専門家であり、ITを用いて業務改革などを実現するCIOやCTO、ITコンサルタントなどが該当します。

ITストラテジストとしての知識・スキルを客観的に証明するうえでは、ITストラテジスト資格を取得することが有効です。ITストラテジストを対象とした難関のIT国家資格であるため、合格することで自分自身の市場価値の向上が期待できるでしょう。

ITストラテジスト資格を取得すれば、フリーランスのITコンサルタントとして活躍するチャンスも増えます。

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