ITスキル
カスタマーエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性について解説
2023.10.9
IT技術の革新やデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速するなか、ITサービスやシステムは我々の生活に欠かせないものになりました。このようなITサービスやシステムを企業・組織へ適切に導入し、必要に応じてサポートを行うのが、今回ご紹介するカスタマーエンジニアです。
IT機器やシステム導入を広くサポートするカスタマーエンジニアは、IT社会の経済活動や社会活動において基盤となる存在です。技術のさらなる進化に伴い、今後はさらに重要な存在となっていくことでしょう。
この記事では、ITサービスやシステムの導入・サポートを担うカスタマーエンジニアに焦点を当て、その仕事内容や年収、将来性について詳しく解説します。
目次
カスタマーエンジニア(CE)とは?
カスタマーエンジニア(CE)とは、顧客に対してITサービスやシステムなどの導入支援、ツールの選定、保守や問い合わせ業務などを行う仕事です。
「ITエンジニア」と呼ばれる職種の中では顧客との距離が最も近く、円滑に業務を行うためには高いコミュニケーション能力、および緊急時の冷静な判断力などが求められます。またITシステムやサービスに関連するあらゆる業務を顧客の要望に応じて担当するため、ハードウェアやソフトウェア、システムなどに関する幅広い知識が必要です。
顧客と近い立場で働くカスタマーエンジニアは、ITシステムや機器についての率直な意見や感想を聞けるというメリットがあります。トラブル対応などの際には、顧客から直接感謝の声をかけられることもあり、やりがいを感じられる仕事です。人とコミュニケーションを取るのが好き、誰かの役に立ちたいという人に向いています。
世界中の企業や組織がDX推進を加速させるなか、オフィスにデジタル機器を新たに導入したり、最新の設備へ乗り換えるなどの機会は増えています。どれほど人工知能(AI)やデジタルの技術が進化しても、システムや機器を使用するのは人間であり、それをきめ細かくサポートできるのも人間です。AIに代替できないカスタマーエンジニアという仕事は、今後もさらに重要度を増していくことでしょう。
カスタマーエンジニアの仕事内容
カスタマーエンジニアの具体的な仕事内容について詳しく見ていきましょう。
機器の選定・設置
ITサービスやシステムを構築するために、どのような機能を有したIT機器が必要かを具体的に検討・選定し、実際に企業や組織内へ設置する作業です。
顧客の要望や予算、設置場所などすべての要件を加味したうえで、ハードウェアやネットワーク、サーバー、セキュリティなどのシステム要件を含め、最適な機器を選定する必要があります。
導入サポート
ITシステムや機器を企業・組織内へ新たに導入する際には、事前準備や環境構築、ソフトウェアの初期設定などが必要です。そのためカスタマーエンジニアは、新たなシステムや機器をスムーズに導入するためのさまざまなサポート業務を行います。
システムや機器に対する設定だけでなく、新システムの要件や使い方、操作手順などを従業員に向けてレクチャーしたり、説明会を開催することもあります。
点検・保守
新たなITシステムや機器の運用開始後には、予期せぬ不具合が起こることもあります。そのためカスタマーエンジニアは、それらの復旧の対応はもちろん、セキュリティパッチの適用やソフトウェアのバージョンアップ対応など、顧客の運用に支障が出ないよう点検および保守を行います。
新システムの運用開始直後はトラブルが多発するものなので、多くの場合、カスタマーエンジニアが顧客先へ常駐して対応に当たります。落ち着いてきたタイミングで定期訪問などに切り替え、必要な場合に迅速に対応できるよう備えます。
システムエンジニア(SE)との違い
カスタマーエンジニアとよく似た仕事として、システムエンジニア(SE)が挙げられます。どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
システムエンジニアは、ITシステムを構築し、開発を行うのが主な仕事です。多くの場合はプロジェクト単位で進められ、プロジェクトマネージャーの指揮の下で要件定義・設計・開発・テストなどを行います。開発におけるプログラミングでは、プログラマーと呼ばれる職種とともに作業を行うこともあります。
一方、カスタマーエンジニアはITシステムを作るのではなく、すでにあるITシステムの導入をサポート、保守するのが主な仕事です。そのためカスタマーエンジニアは、システムエンジニアのようにシステム設計やプログラミングは行いません。
カスタマーエンジニアとシステムエンジニアは、同じ「エンジニア」ではありますが、担当する分野が大きく異なるのです。
カスタマーエンジニアの将来性
求人統計データによるカスタマーエンジニアの年収を見てみると、正社員では約549万円となっています。月給に換算すると約46万円で、全体の平均年収と比較して高い傾向にあります。給与幅は343~994万円と幅広く、ボリュームゾーンは425~506万円の水準となっています。
なお同統計データによると、正社員ITエンジニアの平均年収は約484万円で、月給で換算すると約40万円です。「ITエンジニア」のなかにはカスタマーエンジニアも含まれますが、カスタマーエンジニアの平均年収はかなり高い水準であることが分かります。
このことから、カスタマーエンジニアの将来性は高いと言えます。未来においてはさまざまな職業がAIに代替されると言われていますが、顧客対応やサポート業務をこなすカスタマーエンジニアの需要は依然として高く、今後もさらに高まっていくことが予想されます。
参考:
カスタマーエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス給料ナビ
ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス給料ナビ
カスタマーエンジニアのキャリアアップ
カスタマーエンジニアのキャリアアップにはどのような方法があるかを見ていきましょう。
SEやインフラエンジニアにキャリアチェンジする
カスタマーエンジニアの仕事は将来性の高いものですが、より高い年収を獲得したいと考えるのであれば、他のエンジニア職へのキャリアチェンジを検討しましょう。シフトしやすい職種としては、システムエンジニアやインフラエンジニアがあります。
システムエンジニアやインフラエンジニアの年収の幅は非常に広いため、需要の高いスキルや実績を持っていれば高い年収が見込めます。たとえばシステムエンジニアであればプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャー、テックリードといった役職経験、インフラエンジニアであればAWSやAzureといったクラウドサーバーの知識などがあると良いでしょう。
またシステムエンジニアやインフラエンジニアは、スキルや経験によって、正社員よりもフリーランスのほうが高い年収を獲得できる場合があります。
資格を取得する
カスタマーエンジニアのキャリアアップには、資格を取得して実力を証明するという方法もあります。
専門性や難易度の高い資格を取得できれば、学習を通じて幅広いスキルや知識が身に付くだけでなく、昇進や昇給、転職や独立にも役立ちます。
カスタマーエンジニアにおすすめの資格は次項にて詳しくご紹介していますので、参考にしてください。
エージェントを活用する
会社員のカスタマーエンジニアであれば転職エージェント、フリーランスならフリーランスエージェントを活用することによって、より好条件の案件や転職先を獲得できることがあります。
カスタマーエンジニアとしてのスキルは座学より現場で身に付くものなので、活躍の場を広げることによりキャリアアップをはかれるでしょう。
カスタマーエンジニアに役立つ資格
カスタマーエンジニアの仕事に役立つ資格にはさまざまなものがありますが、大きく「IT系の資格」と「電気工事系の資格」に分類できます。具体的にどのような資格があるかを見ていきましょう。
IT系の資格
カスタマーエンジニアの扱う業務範囲は、ハードウェアからソフトウェア、データベースやセキュリティなど幅広くなっています。すべての分野において最低限の知識は持っている必要がありますが、より専門性の高い分野や知識を持っているカスタマーエンジニアは重宝されるでしょう。
IT系の資格としてカスタマーエンジニアにおすすめなのは、以下のような種類です。
- マイクロソフト認定技術者試験(MOS)
- ITパスポート試験(iパス)
- 基本情報技術者試験
- 第1種・第2種情報処理技術者
- 情報セキュリティマネジメント
- 初級・上級システムアドミニストレータ
- ネットワークスペシャリスト
- シスコ技術者認定
- オラクル認定資格
電気工事系の資格
カスタマーエンジニアは、ITインフラやサービス、システムを物理的に扱うこともあります。そのため電気工事系の資格を持っていれば信頼度が上がり、高い評価を獲得できるでしょう。
電気工事系の国家資格としてカスタマーエンジニアにおすすめのものは、以下になります。
- 電気工事士
- 電気主任技術者
- 工事担当者
- 電気工事施工管理技士
【まとめ】
カスタマーエンジニアは、顧客に近い立場からITインフラやサービス、システムの導入サポートや点検・保守を行う仕事です。ハードウェアからソフトウェア、電気工事系など幅広い知識を習得し、カスタマーエンジニアとしてのキャリアを高めていきましょう。カスタマーエンジニアのフルリモート案件をお探しの方は、Remotersまでご相談ください。