AWS（Amazon Web Services）は、ECサイト大手であるAmazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。2023年第2四半期におけるAWSの世界シェアは約30%と高い数字を維持しており、AWSのサービスや機能を専門的に扱えるAWSエンジニアの需要が高まっています。

参考：Global cloud services market growth slows to 16% in Q2 2023｜Canalys

このように需要の高いAWSに関する知識やスキル、ノウハウを証明できるのが、AWS認定資格です。AWS認定資格には12種類あり、取得すればAWSエンジニアとして高いスキルを証明できるだけでなく、就職や転職、フリーランス独立などの将来的なキャリア形成において有利に働きます。

このAWS認定資格について、”3年間”という有効期限が設けられているのをご存じでしょうか。もし有効期限を過ぎて失効してしまった場合には、最新版の試験を受けることによって再認定を受ける必要があります。

この記事では、AWS認定資格と有効期限について、さらに取得するメリットや再認定について詳しくご紹介します。これからAWS認定資格を取得しようと考えている人、すでにAWS認定資格を持っているという人はぜひ参考にしてください。

AWS認定資格は「3年間」有効

AWS認定資格の有効期限は、資格の種類にかかわらず「3年間」です。

AWSサービスの各機能は日々進化し続けているため、一度資格を取得したら終わりということはありません。たとえ資格取得者であっても、常に変化し続けるAWSサービスに対応して知識やスキルのアップデートが必要であり、そのために設けられているのが「3年間」という有効期限なのです。

有効期限が近づくとAWSから再受験案内が通知されるので、これに従って資格保有者は試験を受け、再認定を受ける必要があります。

もし再受験に落ちてしまっても、不合格した日から14日間が経過すると再度受験が可能になります。受験に関する回数制限などはありませんが、再受験のたびに受験料が全額かかってしまうため注意が必要です。

AWS資格とは？

そもそもAWS資格とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、AWS資格の種類と特徴、資格取得前に確認しておくべきポイントについて見ていきましょう。

AWS資格の種類と特徴

2023年9月現在、AWS認定資格には12種類あります。それぞれレベルや名称、試験時間などが異なります。

レベル	資格	略称	試験時間	問題数	料金
基礎	AWS Certified Cloud Practitioner	CLF-C02(※)	130分	65問	150USD
アソシエイト	AWS Certified Developer – Associate	DVA-C02	130分	65問	150USD
アソシエイト	AWS Certified Solutions Architect – Associate	SAA-C03	130分	65問	150USD
アソシエイト	AWS Certified SysOps Administrator – Associate	SOA-C02	130分	65問	150USD
プロフェッショナル	AWS Certified Solutions Architect – Professional	SAP-C02	180分	75問	300USD
プロフェッショナル	AWS Certified DevOps Engineer – Professional	DOP-C02	180分	75問	300USD
専門知識	AWS Certified Advanced Networking – Specialty	ANS-C01	170分	65問	300USD
専門知識	AWS Certified Data Analytics – Specialty	DAS-C01	180分	65問	300USD
専門知識	AWS Certified Database – Specialty	DBS-C01	180分	65問	300USD
専門知識	AWS Certified Machine Learning – Specialty	MLS-C01	180分	65問	300USD
専門知識	AWS Certified Security – Specialty	SCS-C02	170分	65問	300USD
専門知識	AWS Certified: SAP on AWS – Specialty	PAS-C01	170分	65問	300USD

資格取得前に確認するポイント

これからAWS資格を取得しようと考えている人が、資格取得前に確認するポイントについて見ていきましょう。

ポイント①受験する資格の種類

まず確認するべきポイントは、受験するAWS試験の種類です。いずれの種類もAWSに関する専門的な知識やスキル、経験が必要となるため、自分のレベルに合ったものを選択しましょう。

AWS資格は、それぞれに推奨される経験年数が設定されています。

たとえばプロフェッショナルレベルであれば、「2年以上のAWSクラウド経験」が前提となっています。また専門知識試験の多くは、各専門分野における「5年間の実践的な経験」を有した人を対象としています。

ポイント②合格ラインは7割以上

AWS認定資格の合格ラインは、どの種類であっても7割以上です。受験する資格の種類が決定したら、各試験の合格ラインに届くよう対策を立てましょう。

なお、AWS認定試験におけるスコアは、等化という統計的プロセスによって処理され、正解数ではなく換算スコアとして判定されます。換算スコアの合格基準は、基礎レベルで700点、アソシエイトレベルで720点、プロフェッショナルレベルと専門知識試験では750点となっています。
参考：試験後｜AWS

AWS資格を取得するメリット

AWS資格は国家資格ではありませんが、取得することでさまざまなメリットがあります。

メリット①収入が上がりやすくなる

多くの企業がAWSを導入しクラウド化が進むなか、AWSエンジニアの需要は高まっています。そのためAWS資格を取得することで、AWSエンジニアとしての高いスキルを証明でき、収入アップが期待できます。

特にプロフェッショナルレベルや専門知識試験の難易度は高く、取得できればAWSエンジニアのプロフェッショナルとして高く評価されるでしょう。

メリット②転職や独立に有利になる

近年のIT人材不足を背景に、多くの企業ではAWSエンジニアやクラウドエンジニアを必要としています。

このような状況においてAWS資格を取得していれば、転職の際の強いアピールポイントになるだけでなく、フリーランスとして独立しても高い信頼性を確立できるでしょう。

メリット③社内やクライアントへのアピールになる

AWS資格を有していることによって、社内やクライアントへの強いアピールにもつながります。

AWSに関する高いスキルや専門性を持っていると評価されれば、昇給や昇格、昇進あるいはヘッドハンティングにもつながるかもしれません。

メリット④知識のアップデートができる

AWS資格の有効期限は3年と決まっているため、資格を保持し続けるためには定期的な知識のアップデートが必要になります。

これはつまり、新たに開始したAWSサービスや仕様変更の内容などについて理解を深められるチャンスであるとも言えます。最新の知識やスキルを習得することによって、業務へ適切に展開できるようになるのです。

AWS資格が失効したらどうなる？

すでにお伝えしている通り、AWS資格の有効期限は「3年間」です。3年間を過ぎた場合にはAWS認定資格が失効し、公式認定としての有効性を失います。

AWS資格の有効性を維持するためには、該当資格の最新バージョンの試験、あるいはさらに上位試験を受けることで、公式に再認定を受ける必要があります。

せっかく取得したAWS資格が無駄にならないよう、有効期限までに再認定を受ける手続きを行いましょう。

再認定を受ける方法

最後に、AWS資格の再認定を受ける方法についても確認しておきましょう。

具体的には、同じ資格試験かさらに上位の試験を受験する必要があり、合格した場合には有効期限が合格日から3年間延長されます。

基礎レベルの再認定

AWS資格のうち基礎レベルの再認定を受けるためには、同じ試験の最新バージョンを再受験するか、あるいはアソシエイトやプロフェッショナルなどの上位レベルの資格に合格する必要があります。

つまり、更新の対象となる試験は以下になります。

• AWS Certified Cloud Practitioner
• AWS Certified Developer – Associate
• AWS Certified Solutions Architect – Associate
• AWS Certified SysOps Administrator – Associate
• AWS Certified Solutions Architect – Professional
• AWS Certified DevOps Engineer – Professional

アソシエイトレベルの再認定

AWS資格のうちアソシエイトレベルの再認定を受けるためには、同じ試験の最新バージョンを再受験するか、あるいはプロフェッショナルレベルの試験を受験し、合格する必要があります。

現在の保有資格が「AWS Certified Solutions Architect – Associate」の場合、以下の試験で更新ができます。

• AWS Certified Solutions Architect – Associate
• AWS Certified Solutions Architect – Professional

現在の保有資格が「AWS Certified Developer – Associate」「AWS Certified SysOps Administrator – Associate」の場合、以下の試験で更新ができます。

• AWS Certified Developer – Associate または AWS Certified SysOps Administrator – Associate（保有している資格）
• AWS Certified DevOps Engineer – Professional

プロフェッショナルレベルの再認定

AWS資格のうちプロフェッショナルレベルの再認定を受けるためには、同じ試験の最新バージョンを再受験し、合格する必要があります。

専門知識の再認定

AWS資格のうち専門知識の再認定を受けるためには、同じ試験の最新バージョンに合格し、認定を受ける必要があります。

【まとめ】

AWS認定資格にはさまざまな種類がありますが、いずれのものも有効期限は3年と設定されているため注意が必要です。これからAWS認定資格を取得しようと考えている人は、3年後に更新が必要であることを頭の隅において対策を立てましょう。AWS認定資格が役立つリモートワーク案件をお探しの方は、Remotersまでお気軽にご相談ください。